大きな食堂が楽しい! レゴ ハリー・ポッター ホグワーツの大広間 75954をレビュー
レゴ ハリー・ポッター ホグワーツの大広間 75954は10体ものミニフィギュアが登場し、ホグワーツの大広間を組み立てることが出来るセットだ。10体のミニフィグにはダンブルドアやマクゴナガル、ハグリッドなどが含まれており、主要キャラクターが一気に揃う。ホグワーツ城においては、収容人数が多くて内装も凝ったホグワーツの大広間も魅力。ここからは46枚の画像を交えながら、ミニフィグやホグワーツ城をレビューしていこう。
レゴ(LEGO) ハリー・ポッター ホグワーツの大広間 75954
目次
- ハグリッドの大きなミニフィグが登場! 生徒や生き物もホグワーツの大広間に大集合
- ボートでホグワーツの大広間へ! 城の大きな正門や窓いっぱいの壁も
- 壮観なホグワーツの大広間! 組み分けや決闘クラブも再現できる
- ホグワーツの大広間の壁が螺旋階段に!? 不死鳥のフォークスもいる塔
- レゴ ハリー・ポッター ホグワーツの大広間 75954の総評
ハグリッドの大きなミニフィグが登場! 生徒や生き物もホグワーツの大広間に大集合
ミニフィギュアは10体が付属。ハリー、ロン、ハーミー、マルフォイ、スーザン、ダンブルドア、マクゴナガル先生、クィレル先生、ほとんど首無しニック、ハグリッドだ。ホグワーツの現役生徒が5人、ホグワーツのOBが5人という子供と大人が半分ずつの構成である。このモデルの生徒たちは先生方からマンツーマンの濃密な授業を受けることができるだろう。なお、人間以外のキャラクターとして不死鳥のフォークス、ヘドウィグ、スキャバーズ、バジリスクも登場。
10人全ての登場人物にはふたつの顔が用意されている。笑顔や凛々しい表情のA面の顔を180度回転すると、困った表情だったり険しい表情をしたB面の顔にチェンジすることが可能だ。
ハリー・ポッターのミニフィグ。ハリーは同名作品の主人公だ。“生き残った男の子”とも呼ばれる。ハリーの誕生日は1980年7月31日で、同月には映画においてハリーを演じたダニエル・ラドクリフも生まれた。このことは何か運命的な縁を感じさせる。また同年には「機動戦士ガンダム」シリーズや「ドラえもん」といったテレビアニメの放送が開始。予知能力を備えたニュータイプのアムロ・レイや、なんでも出てくる魔法のような四次元ポケットを持ったドラえもん・・・この年にハリーが生まれたことにも、何か運命のようなものが感じられる。
ミニフィグにおいては額の傷やメガネをプリントによって表現し、ホグワーツ魔法学校の制服を着て、手には杖を持っている。表情のデザインは映画のダニエル・ラドクリフによく似ており、レゴの歴代ハリーの中で最も再現度が高い。服装は意外にも2018年版レゴ ハリポタシリーズにおいて唯一の制服姿だ。杖はマルフォイと同じ焦げ茶色をしていて、おそらく不死鳥の尾羽を使った杖だろう。
ロン・ウィーズリーのミニフィグ。ロンは赤毛の髪が特徴的なハリーの親友だ。誕生日は1980年3月1日で、アニメ映画「銀河鉄道999」や大竹しのぶ主演「あゝ野麦峠」、故渥美清主演「男はつらいよ」シリーズ、菅原文太主演「トラック野郎」シリーズといった邦画が興行収入10億円以上の大ヒットを記録した年に生まれた。同じ年に生まれただけあって、ロンの髪型は「銀河鉄道999」の星野鉄郎に似ている気がする。
ミニフィグにおいてはトレードマークである赤毛やくせ毛がよく表現されている。表情もルパート・グリントの幼い頃をよく再現していて、とてもかわいい表情だ。また、彼の制服姿はハリーと同じくこのモデルのみである。
ハーマイオニー・グレンジャーのミニフィグ。ハーマイオニーはハーミーという愛称でも呼ばれる。ハーマイオニーの誕生日は1980年9月19日で、渥美二郎の「夢追い酒」やジュディ・オングの「魅せられて」といったミリオンセラーのヒット曲が生まれた年に誕生した。ハーマイオニー役のエマ・ワトソンとジュディ・オングの顔は似ていないが、ミニフィグのハーミーはどことなくジュディ・オングに似ている気もする。
ミニフィグにおいては長い髪とエマ・ワトソンらしい切れ長の目が再現。表情もハーマイオニーの凛々しさが表現されているといえるが、やや顔の中央にパーツが集まりすぎている印象はある。髪の毛もややボリュームがありすぎるだろうか。
スーザン・ボーンズのミニフィグ。スーザンは1979年か1980年に生まれた。1979年ならば「スーパーマン」シリーズと「エイリアン」シリーズの記念すべき第一作目や、アガサ・クリスティ「ナイル殺人事」といった洋画がヒットした年に生まれたことになる。
ドラコ・マルフォイのミニフィグ。マルフォイはハリーのライバルだ。マルフォイの誕生日は1979年6月5日で、里見浩太朗主演「水戸黄門」や水谷豊主演「熱中時代」、石原裕次郎主演「太陽にほえろ」といったテレビドラマが最高視聴率40%以上のヒットを記録した年に生まれた。マルフォイがこれらのドラマに影響を受けたかは定かではないが、彼はヴォルデモートに熱中しハリーにほえることになる。
アルバス・ダンブルドアのミニフィグ。ダンブルドアはホグワーツ魔法学校の校長先生だ。誕生年は1881年で、最近AGCと社名変更した旭硝子の創業者や、吉野源三郎著「君たちはどう生きるか」を出版した岩波書店の創業者と同じ年に生まれた。1997年6月、マルフォイとスネイプの手によって倒される。
ミニフィグにおいてはそのたっぷりの髭とロングヘアが再現され、歴代ダンブルドアの中で最も造形がリアル。服のデザインも凝っていて、赤い服に金色の複雑な編み込みが施された繊細なデザインはとても豪華だ。
ミネルバ・マクゴナガルのミニフィグ。ハリポタシリーズにおいて随一の人気を誇るホグワーツ魔法学校の教員だ。誕生日は1935年10月4日で、エルヴィス・プレスリーと同じ年に生まれた。
ミニフィグにおいてはシワの入った顔や緑色の服、大きなウィッチハットを再現。特に緑の服はダンブルドアと同じく上から下まで装飾が凝っていて芸術的だ。
クィリナス・クィレルのミニフィグ。クィレルの誕生日は9月26日で、ホグワーツ魔法学校の「闇の魔術に対する防衛術」の先生だ。表の顔は少し冴えない先生だが、実はヴォルデモートに取り憑かれていて、裏の顔はヴォルデモートになる。そのヴォルデモートの顔はとんでもない表情をしており、スターウォーズのダース・シディアスより凄まじい迫力だ。この風貌からは一見ラスボスのようだが、小説第1巻「賢者の石」にしてハリーに倒される。1992年死去。
ほとんど首無しニックのミニフィグ。ほとんど首無しニックというのはニックネームで、本名はニコラス・ド・ミムジー・ポーピントンという。ニックは魔女狩りによって1492年10月31日死去。
ルビウス・ハグリッドのミニフィグ。ハグリッドは“禁じられた森”の番人だ。誕生日は1928年12月6日で、日本においてラジオ体操の放送が開始され、アメリカにおいてミッキーマウスが初登場した年に生まれた。
ミニフィグにおいてはその大きな図体が特殊仕様のボディパーツによって表現されており、腕の太さや長さもビッグサイズだ。身長もハリーたち生徒の1.5倍はあるだろう。また、髪の毛や口ひげも複雑な造形によって再現され、体つきに見合ったボリュームを備えている。
ボートでホグワーツの大広間へ! 城の大きな正門や窓いっぱいの壁も
ここからはホグワーツ魔法学校をレビューしていくが、ホグワーツ城へ向かうにはまずボートを使用しなくてはならない。なぜならホグワーツ城の南側には“黒い湖”があるからだ。実際はホグワーツ城にたどり着くにはふたつの方法があるため、黒い湖ルートしかないわけではない。“黒い湖”を船で渡るルートの他に、馬車に乗って陸路を行くルートがあるのだ。しかし、ハリーたち1年生は黒い湖のルートを使うと決められているため、手段はおのずと一つになる。そう、湖を渡るためにボートに乗り込む必要があるというわけだ。
このモデルにおいてもボートに乗って船着き場へ行く流れの再現に力が入っており、そのための茶色いボートが付属する。ボートはレゴにおいて南海シリーズを中心として昔から登場しているボートと同じ形状だ。この組み立てる必要のない一体化されたボートはほとんどシンプルな状態が維持されているが、ランプが吊るされているという少しばかりのオリジナル要素を備えている。
ボートにはもちろん乗客を乗せるコックピットというスペースがあって、ミニフィギュアならば6体を乗せることができるだろう。さらにランプを取り除ければ7体まではいける。ミニフィグの上にミニフィグを積み重ねるという荒業を使えばもっと乗せられるはずだ。ただ定員の関係でボートが重量に耐えられるかどうかという問題に直面するため、できるだけ6人までにしておくことをおすすめする。ボートのコックピットにはポッチがあってミニフィグを固定できるため、定員を守れば安定感のある運航が可能だろう。
黒い湖をボートでしばらくやってくると、船着き場でハグリッドが迎えてくれることが分かる。彼は大きな体をしているから、結構遠い場所からでもハグリッドを見つけられるだろう。船着き場が分かりにくくともハグリッドが目印になってくれるはずだ。
船着き場は玄関の前に張り出した2×6のパーツによって表現されている。船着き場や玄関の周りには岩や葉っぱも表現されていて、単調さを感じさせない。
組立説明書にも描かれていたが、船着き場のポッチをボートの裏のポッチ受けにはめることによってボートを固定することが出来る。ミニフィグが歩いたり、ボートが固定できるこの停泊場はとても機能的だ。
ハグリッドに迎えられてボートから降りた生徒たちは、ハグリッドの誘導によってまず玄関ホールに集まる。玄関ホールはミニフィグが7、8体集まれるスペースがあって窮屈さは感じられない。ただそれでも、興奮した生徒たちが押し寄せて混雑する可能性はあるだろう。なにせほとんどの生徒にとって憧れの魔法学校が目の前にあるのだ。勢い込んで押したり押されたり・・・まるで急遽発表された有名人のイベントに人が殺到するような状況になり、場合によっては湖に転落する生徒がいたりと、他の学校ならば問題が起きかねないが・・・
しかし、そこはさすがはホグワーツ城、“安全柵”をしっかりと講じている。船着き場から玄関への入り口は狭く、さらに玄関の周りは柵によって囲まれているのだ。そのため、ごった返して押し出されたとしても生徒たちが湖に転落するという事故は発生しない。また、この安全柵はガードとしての役割だけでなく、デザイン性も優れている。柱に複数の色が使われ、一部が岩を再現していたり、柵の上はフラットパーツが採用されたりと地味にならないような工夫がなされているのだ。
生徒たちを落ち着かせ、はぐれた生徒がいないことをこの玄関で確認したら、樫の木で出来た茶色い両開きの正門を開いてホグワーツの大広間へいざなおう。正門はハグリッドの背丈の2倍もの高さがあって、そびえ立つホグワーツ城にふさわしい存在感と佇まいだ。生徒たちが魔法使いや魔女への期待に胸を躍らせながらこの門を潜るとき、彼らは歴史が刻まれた威厳のある門とその向こうに現れる壮観なホグワーツの大広間に圧倒されることだろう。
正門の右手にはアーチがある。スーザン・ボーンズのミニフィグが立っている場所だ。このアーチは塔の一番下の階へ繋がっていて、ミニフィグが行き来できる通路になっている。アーチには十分な高さがあり、生徒のミニフィグなら悠々と、大人のミニフィグなら少し頭に気をつければ簡単に潜ることが可能だ。
バジリスクが通ると分かりやすいが、アーチを潜れば一階から玄関までズバッと貫通していることが分かるだろう。回転階段へ行きたければこのアーチ、玄関ホールへは正門を潜ろう。
正門の両側には小さな像が設置されている。スキャバーズが乗っているのがそれだ。この像はおそらくイノシシの像やガーゴイル像といったたぐいのホグワーツ城を守護するためのものだろう。
正門の上には時計が設置されている。時計に数字はなく、インデックス(目盛)と時針と分針が描かれたシンプルなタイプだ。このインデックスなどはシールによって表現されているため、シールを貼り付けるときには綺麗に貼れるよう集中する必要がある。
生徒たちが一列になっているその向こうには黒い湖に面する壁がある。ホグワーツ城の南側に当たる、このモデルにおいてもっとも大きな壁だ。この壁は24もの小窓と9本の柱によって構成されており、単純な組み合わせながらも壮観さを感じさせるデザインになっている。小窓は黒いメッシュパーツと茶色い窓枠で構成され、向こう側が見えるメッシュと枠の組み合わせもスタイリッシュだ。
しかし・・・この壮観な壁を築きあげるためには多くの作業、おそらく単調といえる作業をこなさなければならないことについては触れておこう。それというのも、窓枠ひとつひとつに24回もメッシュパーツを組み込む作業が待っているからだ。メッシュをはめて、窓枠を積み上げて・・・という作業を何度も繰り返す必要がある。ただ、少しばかり集中力を発揮して組み上げていき、ひとつの窓が徐々に壁となっていくその様子は気持ちがいいはずだ。そして全ての窓が壁に収まったとき、達成感も得られるだろう。
先ほどの壁の上には傾斜した屋根がある。屋根は稼動するパーツの上に載せられており、うまい具合に傾斜するようになっているのだ。また、屋根のところどころには三角柱のパーツが配置されており、それがいいアクセントになっている。この三角柱が周りのとんがり屋根とともにトゲトゲ感を高めてもいて、ホグワーツ城全体を一貫したゴシック建築のデザインにすることに貢献しているのだ。
ホグワーツ城の西側には、南側の壁と同じく窓が多用されている。南側のように柱は織り交ぜられていないが、15もの小窓によって大窓が表現されているのだ。この大窓は西へ張り出したデザインになっており、ホグワーツ城の立体感を高めることに貢献。メッシュパーツが集中していることでホグワーツの大広間の様子を外から覗けるという楽しみも提供している。ただ、この大窓もまたひたすらパチパチと組み上げていくスタイルであり、南の壁と合わせると39もの小窓を組み立てなければならない。ここはもう一度集中しておしゃれな大窓を完成させよう。
壮観なホグワーツの大広間! 組み分けや決闘クラブも再現できる
ここからはレゴ ホグワーツの大広間および食堂の内部をレビュー。まず、大広間の中央の壁際には暖炉がある。暖炉にはふたつの炎が灯っていて、大広間の暖房器具として機能。暖炉は大広間の横幅の4分の1を占め、その立派なサイズによって大広間全体に温もりを隈なく行き渡らせている。この暖炉に火を入れれば、どんな真冬の寒波でも厚着をしたりホットな飲み物を飲むことなく暖を取ることができるだろう。さすがにグリフィンドールとスリザリンの冷え込んだ関係を暖めることまでは難しいかもしれないが、少なくともみんなの体は温めてくれるはずだ。
レゴ ホグワーツの大広間の右側にはテーブルや椅子があり、奥には先述の大窓が見える。テーブルは大窓に対して水平に置かれた教授用の長テーブルだ。テーブルの上には金の杯(さかずき)がふたつ並べられている。この金の杯は先生方が飲むために使うだけでなく、スピーチや乾杯の音頭をとる際にも掲げられるはずだ。
椅子は脚のない座椅子タイプで、先ほどの長テーブルの後ろに3つ並べられている。座椅子はそれぞれひとつにつき1体のミニフィグが座れるようになっており、最大で3人の先生が席につくことが可能。また、その3つの座椅子のなかでも真ん中の座椅子は特別仕様になっていて、左右の椅子に比べて一際サイズが大きく、背もたれの形状や座面の色も異なっている。さらに座面にはポッチがあって座ったときに安定性が得られ、背もたれは稼動して好きな体勢でくつろぐことだってできるのだ。他の椅子が質素な作りなのに比べ、これほど充実した座椅子・・・まるで社長が座るような席である。おそらくこの席はホグワーツ魔法学校のトップが座る席なのだろう。そう、まさにダンブルドア校長先生の席なのだ。万が一平職員がこの席に陣取るようなことをすれば、周りから白い目で見られることは必死なので注意しよう。
椅子の後ろには大窓がある。大窓はメッシュの部分が多く、たくさんの太陽光が差し込むため、大窓の近くにある教職員席は気持ちがいいだろう。太陽の光を浴びることによってビタミンDを生成できるメリットもある。また、この大窓は息抜きに外を見渡すことができるなど、窓際の職員は多くの恩恵を受けられそうだ。
大窓のせり出した部分のスペースには黄金のカップおよびトロフィーが置かれている。このトロフィーが何のトロフィーなのか、どこかの寮のものなのか、競技のものなのかは分からない。ただ、大窓の前にドカッと置かれたトロフィーは存在感たっぷりだ。
大窓の反対側、正門の近くの両側には箒が取り付けれている。2本の箒はそれぞれ色が違っていて、茶色と黒の2色が登場。2019年のハリポタモデルにおいて箒が付属するのは「クィディッチ 対決 75956」や「ミニフィギュアシリーズ 71022」、そしてこのホグワーツの大広間だけだ。「クィディッチ 対決 75956」よりも箒の数においては少ないといえ、複数かつ2種類の箒を付けてくれるのは嬉しい。2本の箒があれば、ハリーとマルフォイの空中戦も再現できるだろう。
レゴ ホグワーツの大広間の全体像。見ての通り、ホグワーツの大広間はとても広々とした空間になっている。この室内サイズはもしかするとレゴモデルの中において過去最大級かもしれない。もちろんこれまでにも室内だけを表現したモデルや大きめの部屋はあった。しかし複数の部屋がある中で、このように広いスペースや高い天井を備えた部屋もあるのは珍しいといえる。これほどの規模があれば、ミニフィグを大集合しても楽しいし、ひとつの室内でも同時に複数の場面を表現して遊べるだろう。
なお、このホグワーツの大広間は英・オックスフォード大学内の食堂「ザ・グレート・ホール」がモデルになっていて、ファンタジーの大広間としてだけでなく実在する施設のレゴ作品としても魅力。たくさんの窓を背景にテーブルや椅子が並ぶ光景は、まさに本家のように壮観だ。
レゴ ホグワーツの大広間には先述の教職員の長テーブルのほかに、生徒たちの長テーブルが4つ置かれている。この4つというテーブルの数には意味があって、ただホグワーツの大広間の大きさに合わせてチョイスされたわけではない。グリフィンドール、ハッフルパフ、レイブンクロー、スリザリン・・・4つのテーブルはホグワーツ魔法学校の4つの寮別に用意されているのだ。原作においても長テーブルは4つであり、このモデルは縮小されたホグワーツの大広間でありながらその点を忠実に再現しているといえる。
レゴ ホグワーツの大広間はその大きさやテーブルの数だけでなく小物も充実。テーブルには白いティーポットや赤いカップ、骨付きチキン、アイスクリームなどのアクセサリーパーツが置かれている。ハーマイオニーが持っているのはティーポットで、日本的に言うと急須だ。ティーポットは近頃レゴにおいてよく見かけるようになってきており、最先端のアクセサリーパーツといえる。ティーポットには持ち手が付いており、ミニフィグの手でも掴むことが可能。このティーポットを持ってカップにおいしい紅茶を注げば、ホグワーツの大広間での楽しいティータイムの始まりだ。
ロンが持っているのはイチゴクリームケーキ。ここは何といっても魔法の学校だ。ティーポットを傾ければ、もしかするとイチゴクリームだって出てくるかもしれない。
グリフィンドール!!
マルフォイが被っているのは組み分け帽子。このホグワーツの大広間ではティータイムだけでなく、寮の組み分けも行われる。グリフィンドール、スリザリン、etc・・・生徒たちは入学してすぐ、4つの寮のうちどの寮に所属するのか選ばれるのだ。寮はそれぞれに特色があり、組み分け帽子が帽子を被った生徒の適正や特性に合わせて組み分けする。
生徒たちの中には“本命のあの寮に行きたい!”という憧れを抱く生徒もいるだろう。だが、例えばグリフィンドールに行きたい生徒が望み通りの結果になるときもあれば、スリザリンへ行くことになる生徒だっているのだ。寮を自分で選択することの叶わない生徒たちにとって、帽子を被っている瞬間はまるで合格発表の受験番号を見るときのような気持ちに違いない。
レゴ ホグワーツの大広間ではパーティーや組み分けだけでなく、決闘クラブも行われる。決闘クラブとは、小説第2巻「ハリー・ポッターと秘密の部屋」から登場した、ホグワーツ魔法学校の生徒同士が呪文による対戦を行う場だ。この決闘クラブはセブルス・スネイプとギルデロイ・ロックハートによる立会いのもと、ホグワーツ魔法学校の大広間において開催された。
このモデルにおいても決闘クラブの白熱した戦いを再現することが可能で、付属のミニフィグを使うならばハリーvs.マルフォイのビッグマッチが最有力候補だ。以前レビューした「暴れ柳の動きがすごい! レゴ ハリー・ポッター 空飛ぶフォード・アングリア 75953」のセブルス・スネイプ先生を立会いに加えれば、劇中シーンの再現度が高まるだろう。
レゴ ホグワーツの大広間の上部からは2つの垂れ幕が下がっている。垂れ幕はグリフィンドールやハッフルパフ、レイブンクロー、スリザリンという4つの寮の紋章を示しており、ライオンをシンボルにした赤と金のグリフィンドール、鷲をシンボルにした青と銀のレイブンクロー、アナグマをシンボルにした黄と黒のハッフルパフ、そして蛇がシンボルの緑と白のスリザリンだ。
垂れ幕はテクニックパーツによって接続されているため、動かすことができる。垂れ幕を水平になるまで持ち上げ、クルッと180度回転すると・・・グリフィンドールはハッフルパフに、レイブンクローはスリザリンの紋章へと変化。垂れ幕はミニフィグの顔のようにリバーシブル仕様となっていて、一枚の垂れ幕には2つの寮の紋章が両面に描かれているのだ。この垂れ幕ギミックを使えば、その日の気分や特定の寮にフォーカスした遊びの演出などの場合にも簡単に模様替えができるだろう。
先述の垂れ幕の間には4つのキャンドル(ロウソク)が横並びになっている。これは原作に登場する空中に浮かぶキャンドルを表現したものだ。レゴにおいてキャンドルを浮かす超絶ギミックは今のところ発表されてはいないが、黒子のような棒にキャンドルを取り付けることによって目立たないように配慮がなされている。
また、キャンドルはテクニックパーツに取り付けられているため、写真のように動かすことが可能。キャンドルを動かすことは特に想定されてはいないだろうが、宙に浮いたキャンドルが向きを変えた的な演出もできそうだ。
ホグワーツの大広間の壁が螺旋階段に!? 不死鳥のフォークスもいる塔
レビューはホグワーツの大広間から塔へ。塔の1階、実際のホグワーツ城においては3階に当たる部屋にはこのモデル最大のギミックとデッキブラシがある。デッキブラシは壁のクリップに取り付けられていて、掃除のときに使うものだ。決してカーリングや殴打に使うものではない。そしてデッキブラシの近くには、一見すると壁に見えるが・・・
なんと螺旋階段および回転階段に変化するギミックがある。螺旋階段は8段のパーツによって構成されていて、展開したときに1段1段が螺旋になるように設計。1段ずつ左にズレていく動作はとてもスムーズだ。
1階の奥まった場所には、一本脚の円形ハイテーブルの上に黄色いカエルが置かれている。蛙チョコレートなのか、蛙の形をした像なのかは分からないが、レモン味がしそうなカエルだ。ただ、食べ物ではないから、うっかり食べてしまわないように注意しよう。
先ほどの螺旋階段を上ると2階にはダンブルドア校長の部屋がある。部屋には魔法薬や杯が置かれた机や、赤い生成物が入った鉢、緑色の生成物が入った大鍋が配置。アクセサリーパーツやクリアパーツが多めのカラフルな部屋だ。その輝きは泥棒にも魅力的だから、セキュリティは厳重にしておいたほうがいいだろう。
塔の3階にはハットスタンドの上に載った組み分け帽子や色とりどりの小瓶が入った宝箱があり、黒い蜘蛛がいる。帽子に小瓶にクモとバラエティーに富んだ部屋だ。特に蜘蛛の造形はとてもリアルで、その黒い色も相まって本物と間違えてしまいそうなほどである。間違って叩き潰したり、殺虫剤を吹きかけたりして退治しないように注意しよう。
小瓶はたくさん付属するため、宝箱にたっぷりと詰めることができる。色も3種類あるから宝石箱のような豪華さだ。ここも誰かに忍び込まれないようセキュリティを強化したい。
4階および屋根裏部屋の前にはキャラクターが描かれた“みぞの鏡”が設置。みぞの鏡は“見る者の強い願望を映し出す特別な鏡”だ。みぞの鏡にはハリーと彼の父母やダンブルドアなど4パターンのデザインが用意されており、垂れ幕と同じようにリバーシブル仕様によって組み換えることができる。両親への想いが強いハリーがこのみぞの鏡を見たときは父母とのスリー・ショット、クィレル先生が見たときは賢者の石を持った自分の姿といったふうに、見る者によって絵柄を組み換えよう。
前述のみぞの鏡を取り除けると、屋根裏部屋を見ることが可能。屋根裏部屋にはダンブルドアのペットである不死鳥のフォークスが止まり木で待機していて、召喚されるときを待っている。
とんがり屋根の一部を剥がしたところ。意外と複雑なパーツの組み合わせによって、パーツを傾斜してはめることを実現している。
レゴ ハリー・ポッター ホグワーツの大広間 75954の総評
レゴ ホグワーツの大広間においては、以前レビューした暴れ柳の動きがすごい! レゴ ハリー・ポッター 空飛ぶフォード・アングリア 75953とともにホグワーツ城を形成する建物のひとつとなっている。特にこのホグワーツの大広間はホグワーツ城の最も見栄えがする部分が再現されており、とんがりが多用されたゴシック様式の外観はとてもスタイリッシュだ。
ホグワーツ城は外観だけでなく大広間をはじめとする室内にも力が入っていて、特にホグワーツの大広間には椅子やテーブル、暖炉、大窓などがあり凝った作りになっている。多くの生徒を収容できる広さも魅力的で、食事や集会、寮の組分け、決闘クラブに至るまで多くのシーンを演出できることだろう。
またホグワーツの大広間はヴォルデモートとの最終決戦が行われた舞台でもあり、壮絶な戦いを再現することも可能。まさに楽しみ方いろいろ、バッチリ遊べる作品となっている。このホグワーツの大広間があれば、レゴ ハリポタの中心として存在感を放ってくれること間違いなしだ。
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