レゴ バイキングのミニフィグをレビュー! ミニフィギュア シリーズ20 71027
レゴ バイキングのミニフィグをレビューする。バイキングは2020年に発売されたミニフィギュア シリーズ20 71027に登場する8番のミニフィグだ。レゴブロックとしては希少性の高い兜や槍を装備しており、とてもかっこいいヴァイキングのおじさんである。
目次
これが本物のバイキングだ! 狂戦士のミニフィグが登場
レゴ ミニフィギュア シリーズ20のパック。16体のうち、豆コスプレイヤーやブレイクダンサー、ドローン男子、戦隊ヒーロー、中世の戦士、武闘家、海上レスキュー隊、メキシコ男子、宇宙男子といった8体のミニフィグが選抜されてプリント。
中でも豆コスプレイヤーは一番手前に大きく印刷されており、一押しキャラクターのようだ。その一方、残念ながら今回レビューするバイキングは選抜入りできなかった。
パックを開封したところ。中からは透明な小袋入りのパーツや槍、マント、ミニフィグスタンド、カタログが出てくる。
ピース数は10。鎧兜、ヘッド、ネックパーツ×2、胴体、レッグ、マント、スタンド、そして撮影し忘れた槍が含まれる。
カタログは両面プリント。表が組立説明書、裏がカタログだ。組立説明書にはバイキングではなく、パックにプリントされていたミニフィグから5種類の組み立て方が代表して載っている。
カタログ面には1番のメキシコ男子から16番のドローン男子までの16種類のミニフィグが勢揃い。それぞれのキャラクターには一応番号が振られており、左上から順番に並べられている。
この順番がどのような基準によって決められたものなのかは分からないが、おそらく足のサイズ順だろう。そしてこの記事の主役であるバイキングは8番目のミニフィグとなる。
レゴ バイキング(Viking)のミニフィグは、同シリーズに登場する中世の戦士とともに中世の時代に活躍したキャラクターのひとりだ。戦士のミニフィグとしては前シリーズ19の“恐怖の騎士”に続く。
ただ“恐怖の騎士”はややファンタジー色が強いため、リアリティのある戦士としてはシリーズ15の“こわがらせナイト”以来となるだろうか。
また、バイキングのミニフィグとしてはミニフィギュア シリーズ4 サイドBの男バイキングやシリーズ7 サイドAの女バイキング以来の登場である。
バイキングはヴァイキング時代に躍動した北方の戦士。ワイルドな見た目と槍や丸盾によって武装していたことが知られており、ミニフィグにおいてもそういった特徴がよく再現されている。
さらに複雑な形状のクールな兜を被り、マントを纏って装いも豪華だ。蓄えられたヒゲ、大きく広がるマント・・・それらの要素がバイキングの威圧感やワイルド感を高めると同時に、屈強な男のオーラも放つ。
そのヒゲによる風格や体格の屈強さを見るに、年齢でいうとおそらく30代から40代だろう。戦士としてはかなり仕上がり、脂が乗っている頃合だ。彼がバイキングの中でも狂戦士と呼ばれる恐るべき戦士なのかは分からない。だが例えそうでなくとも、ベルセルクに限りなく近い実力を持った人物と見て間違いはないだろう。
その実力を裏付けるのは、モフモフ感のある髭かもしれない。ヴァイキングの海外ドラマを見ると、年齢や実績を重ねるにつれて立派なヒゲが蓄えられていく描写がある。もしこのミニフィグにもその法則が適用されるならば・・・たっぷりと髭を生やしている彼は、やはりかなりの戦士のようだ。
バイキングの強さはヒゲで分かる!? かっこいい兜や槍も必見
風格を高め、実力を示すことに大きく貢献しているバイキングの髭。これはヘッドと胴体の間に挟むネックパーツにより表現している。髭の色は、鮮やかなオレンジ。もっと渋い色のヒゲを想像していたが、思ったより明るい色合いだった。しかしそれはデメリットではない。バイキングを適度に華やかにしてくれている。
形状は以前レビューしたアドベントカレンダー2019のサンタクロースが付けていたヒゲと同じ。オレンジ色にペイントされた色違いである。そのため、バイキングがサンタの髭を生やすことももちろん可能だ。バイキングにサンタの髭をつければ、さらに年を重ねた白髭の戦士になる。
ただ、バイキングの眉毛はオレンジ色。髭だけ白くなるとやや不自然かもしれない。そんなときは、サンタのヘッドごと入れ替えてしまおう。そうすれば毛色に統一感が出せるし、メガネ姿のバイキングという新しいジャンルも開拓できるだろう。
前述の髭パーツを外したところ。しかしまたしても髭が現れる。ヘッドパーツのプリントによる髭だ。ヒゲを取っても下にもヒゲが生えているという二段構えである。一段目の髭を万が一切られても、二段目のヒゲがすぐに現れてカバーする仕組みだ。これが髭を絶対に途切れさせない、バイキング脅威のこだわりというものだろうか。
そのこだわりの髭はネックパーツよりもスリム。柔らかそうな口ひげと顎鬚はどことなくハムスターを連想させる。つぶらな瞳と合わせてまさにハムスター顔かもしれない。それもゴールデンではなく、ジャンガリアン寄りだ。
なんということだろう・・・。筆者は今日、ネックパーツを外したバイキングがハム顔だということを知った。考えてみればジャンガリアンはドワーフハムスターに分類されており、ドワーフっぽい見た目のバイキングとは兄弟のようなものだ。バイキングを得たものは、ハムスターを飼い始めたも同然だといえる。
風格を高めているのが髭なら、かっこよさを決定づけているのがバイキングの兜。兜は顔の上半分や頭部、首の後ろまでを覆う。兜の前面には目の部分に覗き穴があり、視界を十分に確保。覗き穴の周りは金色の塗装が施され、装飾性も非常に高い。
おそらくレゴにおいて今回の兜は初登場だろう。兜の形状は大きな髭に干渉しないように設計されており、まさにこのミニフィグ専用の防具である。
また、この兜は史実性の高さも魅力的。それは角の有無だ。映画やイラストなどにおけるこれまでの扱いから、バイキングといえば角が付いた兜を被っているイメージを持っていたかもしれない。確かにミニフィギュア シリーズ4の男バイキングしかり、シリーズ7の女バイキングしかり、兜には角がついていた。
しかし、実際のバイキングは角付きの兜をほとんど被っていなかったようだ。中世のナイトから連想されるような滑らかな兜だったらしい。つまり、今回の兜はその史実により近いデザインだといえる。高い史実性とデザイン性を兼ね備えた素晴らしいミニフィグアイテムなのだ。
前述の兜の他に身を守る防具がバイキングの丸盾。丸盾は歴史的にもバイキングの標準的な装備であり、今回のミニフィグにも採用された。おそらくバイキングの伝説的な戦士であるラグナルやビヨルンなども持っていただろう。
この丸盾は敵の攻撃を受ける防具としてだけでなく、相手に打撃を加える武器としても使われる。適度な強度と大きさにより取り回しがいいため、攻防一体の優れた武器になり得るのだ。槍と盾による2種類の攻撃を繰り出された敵は、二刀流を相手にするような最悪な気分になるかもしれない。
レゴにおいての丸盾は換気扇の白いプロペラが回っているようなデザイン。青や白や銀色のデザインはプリントによって表現されている。丸盾の裏にはセンターグリップ式の持ち手が備えられているため、ミニフィグの手にしっかりと持たせることが可能だ。
丸盾をフルに活用した戦い方を得意とするバイキング。そしてそれは個人戦だけでなく、集団戦法においても存分に発揮された。密集陣形として丸盾を使い、“盾の壁”を形成したのだ。
盾の壁を構築したバイキングたちはローマ帝国の密集戦術“テストゥド”ほどではないにしろ、弓による遠距離攻撃をある程度防ぎながら前進することができた。また、密集した接近戦においてもそれなりに防御力を発揮したのである。
バイキングの主な武器は槍と斧。その二種のうち、今回付属するのは槍だ。槍はバイキングにとって最も標準的かつ強力な武器。歴史上においても槍は最も優れた武器のひとつであり、日本の武士も実は刀より槍を主力武器としていたという。
槍ならばリーチの長さによって先手を打てる可能性が高まるし、剣や刀のように一撃だけで錆び付き、すぐに使い物にならなくなることもないからだ。
バイキングたちもその速攻性と継戦力に優れた長柄武器の特性を活かし、ヨーロッパの敵との戦いを有利に進めた。斧や剣をメイン武器として使うこともあったようだが、思い入れが一番強かったのはやはり槍だったらしい。
今回はそういった背景や槍使いへのリスペクトを込めて、代表的な槍がチョイスされた。刃と柄が違う色になっており、希少性の高い魅力的なミニフィグアクセサリーとして付属する。
大きく広がり、そして膨らむことによってバイキングの重量感や存在感を高めることに大いに貢献しているのは、背中に纏う青いマントだ。マントは非常に手触りがよく、しっとり柔らかな作り。以前のようなパリッ感はなく、上質な雰囲気である。
歴代のバイキングのミニフィグはトルソーのデザインが地味だったり、武具のプリントがやや貧弱な印象もあった。しかしこの鮮やかな青色のマント効果により、レゴのバイキングに初めて華やかさがもたらされたような印象だ。
バイキングはマントがないと華やかさが失われてしまうのか。そのことを確かめるため、マントを取ってみる・・・しかしそこにはなんとマントがあった───
マントの下にマント。まるでナプキンのような、小振りでかわいい感じのマントがそこにあった。まさしく髭と同じ二段構えだ。もし何らかの事態によって一段目のマントが剥がされても、二段目のマントがすぐさまカバー。実に隙がない。バイキングの対応力には驚かされてばかりいる。
バイキングは足に茶色いブーツを履く。革靴は中世のゲルマン人、つまり彼のようなバイキングの民族が発祥と言われているらしい。まさにバイキングらしい履物だ。バイキングが履かねば誰が履く・・・彼らほどふさわしいものはいない、そんなベストマッチのプリントである。
レゴ ミニフィギュア シリーズ20 バイキングの総評
バイキングは過去にもミニフィグ化されてきた。2000年代のレゴ バイキングシリーズやミニフィギュア シリーズ4の男バイキング、シリーズ7の女バイキングなど、たくさんではないがそれなりに登場している。
しかし今回のデザインは過去最高の出来栄えといえるだろう。完成度とかっこよさが際立っている。装備しているアイテムの質、量ともに満足感があり、間違いなく豪華なミニフィグのひとりだ。
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