タワーブリッジな外観! レゴ クリエイター おもちゃ屋と町の小さなお店 31036をレビュー
レゴ クリエイター おもちゃ屋と町の小さなお店 31036は、ロボットと機関車の模型を置くおもちゃ屋やリンゴとバナナなどを並べる青果店を組み立てるセットだ。
おもちゃ屋と青果店はそれぞれ独立した店舗にしたり、併設店にすることができるギミックを搭載。それに伴い、建物はタワーブリッジのようなオシャレな外観から、一戸建てのような厚みのある見た目に大きく姿を変える。
ここからはその変化に富み、面白みにあふれる建造物の各部を徹底レビューしていこう。
目次
- 男の子は宇宙好き? おもちゃ屋のお姉さんと少年のミニフィグ
- タワーブリッジな外観がおしゃれ! 風船ガムマシンや青果店もある
- 渡り廊下が部屋を繋ぐ! 仕切りを動かせるギミックも搭載
- 渡り廊下がバルコニーに変化! 二階にはベッドルームも
- 町の小さなお店で朝刊を買おう! おもちゃ屋にはロボットと機関車
- レゴ クリエイター おもちゃ屋と町の小さなお店 31036の総評
男の子は宇宙好き? おもちゃ屋のお姉さんと少年のミニフィグ
ミニフィグは2体付属。おもちゃ屋の女性店長と男の子の2人だ。女性店長のほうは制服を着てスカーフを巻き、キャビンアテンダント風にビシッとキメている。小さなお店の店長ながら、プロ意識を感じさせるファッションだ。
その身だしなみからは相当な能力を備えた女性であると容易に想像できる。おそらく、品揃えは少ないながらもトレンドを捉えたラインナップと絶妙な話術によって販売を維持してきたのだろう。
トイザらスでさえ厳しい今の時代に、小規模な町のおもちゃ屋を存続させてきたのだ。その手腕はとんでもない。もし彼女が大手企業の経営コンサルタントだったならば、世界を取っていたに違いない。
男の子のほうはレゴ 宇宙シリーズのキャラクターであるレニー、ジェニー、ケニー、ベニーの4人がプリントされた長袖Tシャツを着て、青いキャップを被っている。
プリントTシャツの柄を見る限り、おそらく彼もまたレゴ、特にクラシックスペースシリーズの大ファンなのだろう。青い帽子にしても、もしかするとベニーへのリスペクトかもしれない。
そんな宇宙好きの少年は宇宙船ではなく、黄色い四輪自転車に乗る。彼にとってこのケニー色の自転車は、地球においてのスペースシャトルであり宇宙ステーションだ。どこへ行くにもいつも一緒の愛車なのである。
少年は今日もその愛車に乗っておもちゃ屋に行き、ウィンドウショッピング。店長のお姉さんの話術によって購買意欲は高まる一方だが、毎日忍耐力を効かせて乗り越えている。いつか親に買ってもらえる日が来るまで、リサーチに専念しているのだ。
タワーブリッジな外観がおしゃれ! 風船ガムマシンや青果店もある
ここからはおもちゃ屋と町の小さなお店をレビューしていく。上の画像はそのおもちゃ屋と町の小さなお店の全景だ。この複合施設の二階は渡り廊下によって接続されており、外観はまるでロンドンのタワーブリッジのよう。とてもおしゃれな外観だ。でもタワーブリッジを折りたたむと印象の全く異なる建物に変化するという、興味深い設計を備える。
まずおもちゃ屋と町の小さなお店の外側からレビュー。渡り廊下の真下、透明なドアの近くには赤色の物体がある。色や形状からすると消化器や郵便ポストやガチャガチャのように見えるが・・・実はこれは風船ガムマシンだ。
風船ガムマシンとは噛んだり膨らませたりして楽しむ駄菓子を作る機械。おもちゃ屋の利用者層はやっぱり子どもが多いことから、ちょっとしたおやつを食べられるように設置されているのだろう。
マシーンの中には黄色と銀色が入っており、どうやら二色の風船ガムが作られるようだ。もしかすると黄色はマンゴー、銀色は・・・サンマ味だろうか。
既におもちゃ屋の興奮と選べるフレーバーの相乗効果により、子どもたちの理性は崩壊寸前。そこにこんなカラフルな風船ガムが置かれていては・・・子ども達はガムをオーダーせずにはいられないはず。子どもの心理を理解した、巧みな販売戦略だ。ここにも女性店長の手腕が見て取れる。
おもちゃ屋の前、ウィンドウとドアの近くにも風船ガムマシンが設置。しかし全く同じものというわけではなく、こちらはサイズが小さい。前述が業務用の大型マシンなら、こっちは家庭用の小型マシンといった雰囲気だ。
また、作れるフレーバーも少し異なる。黄色は共通しているが、こちらは銀色ではなく白色の風船ガムが作られるのだ。たぶん白色はバニラ味だろう。銀色よりもマニアック度は低いが、万人受けは抜群。定番の甘さを楽しみたいとき、子どもたちはこちらの風船ガムマシンを選ぶ。
風船ガムマシンの小さいほうは持ち運びが容易。なにか子ども達が集まるイベントが近所で催されるときには、このマシーンを出店として持っていくのもいいだろう。自らアクティブに動くことで、ビジネスチャンスは拡大する。
なお、風船ガムマシーンは一見すると何かを噴射できそうな形をしているが、風船ガムが放たれることはない。お遊びで人に向けても大事は起こらないから安心だ。
おもちゃ屋と町の小さなお店の向かって右側には青果店がある。青果店にはリンゴ、バナナ、そして葉物野菜がディスプレイ。その赤・緑・黄の鮮やかな青果が並ぶ光景は、お客さんの目を惹きつける要素としてしっかりと機能している。
この青果店は取り扱っている青果の産地をもちろん明確にしている。リンゴは青森県弘前市産、バナナはエクアドル産、葉物野菜は熊本県産だ。
また品質にもこだわっており、特に林檎は冬の時期ならば蜜入りりんごが保証されている。その蜜の入りといったら、もはやりんごに蜜が入っているのか、蜜にりんごが入っているのか分からないレベルだ。だから蜜好きの消費者は毎シーズン安心してこのりんごを購入できる。
さらにバナナに関してもフェアトレードで、葉物野菜も生産者直送。こういった品質や鮮度への信頼感がこの成果店の評判を高め、消費者の足を向かわせている要素だ。
先述の二ヵ所の風船ガムマシンに挟まれた透明なドアは開閉することができる。このドアはおもちゃ屋の出入り口となっていて、子どもたちの出入りがよく見られる場所だ。
先述の青果店の近くにもクリアなドアがある。このドアは有人型の新聞販売店の出入り口となっており、朝の出勤時間に朝刊を買い求める大人たちがよく出入りする。
おもちゃ屋と町の小さなお店の隅っこには街灯が設置。この街路灯は青果店近くの曲がり角を照らしており、暗い夜道でも人々が安全に行き来できる。
また、この街路灯は夜の照明としてだけでなく、待ち合わせの目印としても地域住民に活用されるかもしれない。
22時に青果店の街灯で待つ。アレを持ってこい。さもなくば─── 人々の思い出の場所にもなれば、おもちゃ屋と町の小さなお店の貢献度はさらに高まるはずだ。
渡り廊下が部屋を繋ぐ! 仕切りを動かせるギミックも搭載
ここからは、このモデル最大の特徴とも言える渡り廊下をレビュー。渡り廊下はベッドルームと引き出し付きの棚がある部屋とを繋ぐ通路だ。この渡り廊下を使えば部屋同士の移動をスムーズに行えるだろう。
少年「おば・・・お姉さん、あっちの部屋にいってもいい? あれ、行けない・・・」
渡り廊下の中間地点には改札ゲートのような仕切りがされている場合がある。この仕切りは建物を折って渡り廊下をバルコニーにした際に手すりとなる部分で、タワーブリッジに戻すときにその手すり部分をそのままにした場合に起こる封鎖現象だ。
もちろん、このまま仕切りがされた通行止めの状態では次の部屋へ向かうことは出来ない。改札ゲートを飛び越えたり渡り廊下の手すりを歩けば向こう側へ行くことは可能だが、高所においてそのアプローチはややデンジャラスだ。
それに仕切りの問題はスタントマン魂を発揮しなくとも解決できる。リスクを冒す必要などない。なぜなら、仕切りは簡単に動かすことができるからだ。
二重の仕切りを手すり側に寄せれば・・・あっという間に渡り廊下が開通。世界最速の開通式を何度だって開催できる。パタパタと動かせる仕切りは、このモデルにおいて最も手軽に遊べるギミックとして貢献してくれるだろう。
渡り廊下が開通したら、さっそく通行開始!
女性「いくわよ、ヤングマン!」
少年「ダ、ダサい呼ばれ方・・・」
渡り廊下は高所にあるから、見晴らしはバツグンだ。この渡り廊下を渡るときは、周囲を眺めながらゆっくりと歩こう。そうすれば夕日が沈むところ、街の灯りが煌く夜景・・・あらゆる景色を一望できるはずだ。
渡り廊下の付近には白い看板が取り付けられている。この看板は一階において新聞を取り扱っていることを示すもので、ニュースペーパーの一面を模したデザインがプリント。初めてこの町にやってきた人も、この看板があればひと目で新聞店だと把握できるだろう。
渡り廊下がバルコニーに変化! 二階にはベッドルームも
屋と町の小さなお店の二階部分をレビューしていく。まずは先述の渡り廊下を折りたたむことにより現れるバルコニーから。
このバルコニーは前述の通り、渡り廊下によって構成されている。渡り廊下を折りたたみ、通路2つ分を合わせることにより、広々としたバルコニーを実現しているのだ。
そのゆったりとしたスペースはミニフィグ2体を置いても余裕があるほど。これほど充実したスペースがあれば、景色を眺めながらの贅沢なランチや天体望遠鏡を設置しての天体観測だって十分に可能だろう。
人ひとりが歩けるくらいの幅だった渡り廊下も、合わせれば豪華なバルコニーに早変わり・・・この柔軟性や意外性こそ、まさにレゴだと感じさせてくれる。
バルコニーに隣接した部屋のひとつ。この部屋には茶色い棚とデスクライトが置かれている。棚は引き出しタイプとなっていて、前面にポッチ付きのパーツを取り付けることにより取っ手を表現。おそらくこの棚には鍵がかけられており、大事なアイテムや帳簿などが入っているのだろう。
前述の棚のある部屋には茶色のドアがある。このドアも1階の透明なドアと同じく開閉することが可能。ドアを開けて外に出れば、一階に降りるための階段が現れる。
棚のある部屋の反対側にはベッドルームがある。ベッドルームにはベッドや、何かピコピコしそうなものが床にふたつ設置。このピコピコが何かは分からないが、パラマウントベッド的なものを操作したり、ドアを遠隔で開閉するアイテムなのだろうか。
ベッドルームはおそらく、おもちゃ屋と町の小さなお店を運営する女性の部屋だろう。建物は一階が店舗、二階が住居という店舗兼用住宅になっており、女性はこの部屋に寝泊りしているのだ。
ベッドには白い枕と赤い掛け布団かマットレスが敷かれ、就寝準備は常に万全。枕は安眠枕で、寝返りする重視する使用者の好みから高反発タイプを採用している。
また、赤いものが掛け布団なら西川、マットレスならトゥルースリーパーを使用。このこだわりのベッドルームならば、女性は深い睡眠を取ることが可能だろう。
店長のこだわり抜かれた安眠ベッド・・・その感触はもちろん、ふかふかだ。つい飛び跳ねたり、自転車を乗り入れたりして悪戯したくなるほどの感触である。
ただ、いくら凄まじいベッドとはいえ本当に自転車で乗り入れるなんてことをしたら・・・女性は微笑みのブチ切れによって少年に無言の圧力をかけるだろう。
町の小さなお店で朝刊を買おう! おもちゃ屋にはロボットと機関車
ここからは一階にある町の小さなお店とおもちゃ屋をレビューしていく。まずは青果ボックスの後ろにある町の小さなお店から。
町の小さなお店では新聞や地図、そして飲料が売られている。また、この部屋にはレジとカウンターが設置されており、会計も行える仕組み。
白い紙が新聞、茶色の紙が地図、緑色の紙が紙幣だ。新聞はレゴの最新ニュースが印刷されていて、レゴの世界にふさわしい内容。きっと紙面にはレゴセットの新発売情報や開発者インタビューなどが掲載されているのだろう。レゴファンにとってはたまらない記事だ。
地図のほうは、おそらくドラゴン退治を実行するための経路が示されている。この地図を入手した冒険家は険しい山や川を越えてドラゴン退治に向かうのだ。
壮大な物語を秘めた地図・・・そのようなものが、この小さなお店で売られていることが不釣合いだという疑問を抱く人もいるかもしれない。
だが、それは一見変哲のない場所にこそ貴重なものが存在しているという、小説や映画的な演出のそれだろう。こういった展開のほうが非日常、つまりファンタジーの世界へ飛び込んだときのギャップが大きく、よりドラマチックだ。
ドラゴン退治の旅路には多くの別れが訪れるだろう。おそらく一人のヒーロー以外は全滅するはずだ。しかしそんな困難にあえて挑んでこそ、真の勇者というもの。この地図を見つけた瞬間から、勇者は旅立つ運命なのだ。
少年「はい、100ドル。僕はこの100円で勇者になるんだ。」
前述の新聞と地図は、100ドルで買える。レゴの最新情報とドラゴンとの戦いに挑む権利の両方を得ても、200円という安さだ。この投資はかなりお得かつ魅力的なものといえる。
会計をするために置かれたレジスターはプリントパーツ。このレジスターには緑と赤のボタンや数字と記号がプリントされており、本格的なレジ打ちごっこが可能だ。きっと勇者志望の少年ならば興味を示すはず。もしかするとドラゴンスレイヤーとしてレジスターを持っていくかもしれない。
町の小さなお店には実はドリンクも売られている。このジュースは壁の上のほうに陳列されているために、お客さんたちからはあまり認知されていない商品だ。
しかし青色の容器に入っているレゴ矢サイダーや黄色のパインは本当に素晴らしいおいしさで、知る人ぞ知る逸品である。もし子どもたちがこの飲料に気付けば、親たちは新聞代だけでなく追加予算を要求されることだろう。
一階には町の小さなお店だけでなく、風船ガムマシンが柱として組み込まれたおもちゃ屋もある。このおもちゃ屋には黄色いロボットと黒い機関車がディスプレイ。ややプレミアム商品路線を感じさせる、豪華なラインナップだ。
おもちゃ屋の壁には、レゴ ブースト クリエイティブ・ボックス 17101のようなロボットが売られている。ここのロボットももしかするとプログラミングして遊べるタイプかもしれない。そうだとすれば些か値が張るだろう。親が値札を見たら、“あっちにもっとかっこいいロボットがあるよ”と気を逸らそうとする案件だ。
おもちゃ屋の窓付近には、これまた値が張りそうな機関車の模型が展示されている。機関車は子どもの身長と同じくらいの全長があり、相当の大型モデルだ。その迫力のサイズと機関車という特性・・・このおもちゃ屋において最も子どもの興味を惹き付けるアイテムに違いない。
なお、この機関車はレゴ クリエイター エキスパート クリスマス・トレイン 10254のようなデザインをしており、もしかするとそれをデフォルメ化したものかもしれない。少年の服にクラシックスペースネタが仕込まれていることを考えると、十分にあり得る話だ。
レゴ クリエイター おもちゃ屋と町の小さなお店 31036の総評
466ピースのおもちゃ屋と町の小さなお店は、タワーブリッジ風の洒落たデザインや印象的な渡り廊下およびバルコニーが特徴としてまず挙げられる。
タワブリ外観や渡り廊下といった要素は他のクリエイターシリーズでは見られない、このモデル独自のものだ。その意味において、とても存在感がある。
また、少年のミニフィグやアイテムにおいて見られる小ネタ。これはレゴの過去作品であるクラシックスペースのことだが、そのお遊び的な要素もまた興味深く、そして面白い。建物だけでなく、ミニフィグにも見所があるところはさすがというところか。
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