蜘蛛の足のラバリア! レゴ 70335 ネックスナイツをレビュー
レゴ 70335 ネックスナイツ アルティメット・ラバリア シールドセットは、ネックスナイツの悪役のひとりであるラバリアにフォーカスしたセットだ。こちらの「究極武装のロビン」で紹介したロビン同様、複数の装備が付属する。そしてなんといってもフレキシブルな蜘蛛型の足が魅力。それではレビューを始めよう。
パッケージの表。左上には不吉な黒い雲と紫の夜空を背景に、ヴァンパイアやホラー映画風にLAVARIAと書かれている。LAVARIAとはこのセットの主人公・ラバリアのことだ。暗闇を好むコウモリの羽と、トンネルに住むロード・オブ・ザ・リングのシェロブのような不気味な足を持つラバリアにふさわしく、暗雲立ち込めた空模様である。
パッケージの裏。このセットに付属するシールドのネックスパワーを取り込んで遊ぶことができる、iOSとAndoroid対応ゲームアプリ「LEGO NEXO KNIGHTS : MERLOK 2.0」の動作環境などについて書かれている。
開封したところ。組立説明書が一冊と袋がふたつ出てくる。
全69ピース。ロビンよりも少しパーツ数が少ない。
このセット最大の目玉であるラバリアの蜘蛛の足を組み立てたところ。蜘蛛の足は頭胸部と4本の歩脚で構成されている。歩脚はさらに銀色のパーツと、歩脚と頭胸部を接続するための黒いパーツで構成される。
銀色のパーツには複数の突起があり、攻撃力を感じるゴツゴツさだ。案の定、ネックスナイツシリーズの他のセットで武器として登場するものが使われていた。例えば移動城塞フォートレックス 70317に付属するマグマ・ソルジャーのアッシュ・アタッカー(Ash Attacker)が持っている大剣と同じだ。剣としても使われているのだから、足には切れ味があると思っていいだろう。このことは、歩脚が歩くだけでなく近接武器になり得ることを示している。
この多目的な歩脚は頭胸部に組み込まれた8角のクリップ受けに1本ずつ接続されており、接続部の人間で言う股関節のような部分から上下に動かすことが可能だ。4本それぞれ角度を調節すれば多彩なポーズがとれるだろう。上半身を取り付けて武装を持たせると前2本の足は可動範囲が狭くなるが、後ろ2本でも十分かっこつけることができる。
ラバリアの上半身に取り掛かったところ。ここでは蜘蛛の足に次いで目立っている背中の装備を組み立てている。ヘッドと胴体の間に挟む透明なブラケットにクリップパーツをはめ、そのクリップパーツにコウモリの羽を取り付ければ完成。ブラケットがクリアパーツになっているため、首に挟んでも目立ちにくい。ナイス配慮だ。
胴体に先ほどのコウモリの羽とヘッドパーツとフードをはめ、シールドと槍を持たせれば上半身が完成する。
前述で用意した上半身と蜘蛛の下半身を合体すれば、ついに蜘蛛型ラバリアが降臨。コウモリと蜘蛛の合体、赤と黒・・・まさに悪のイメージをたっぷり詰め込んだ姿である。だが悪を極めたその姿がまたかっこいいのだ。ここからはその悪にあふれた姿や武装についていくつか見ていこう。
まずは黒いフード。羽、足、顔つき、色・・・悪の要素はいろいろあるが、最もダーク感を醸し出しているのは、意外と黒いフードかもしれない。スター・ウォーズのダースモールや指輪物語のナズグル、そしてアサシンのような黒いフードといえば強敵の定番であり、手っ取り早く畏怖の念を抱かせるアイテムだ。ひとたびフードを被れば、あのピカチュウやふなっしーでさえ畏怖のひとつやふたつといったくらいだ。
赤い体も印象的である。ラバリアはロビンも所属するナイトン王国と敵対するジェストロ配下のマグマモンスターだ。そのマグマモンスターは皆一様に赤い体をしている。そしてもちろんマグマモンスターであるラバリアも漏れずマグマのように真っ赤なのだ。
片手には両刃の騎槍(ランス)を持っている。刃は鉄色ではなくニンジンのような色だ。色付きの刃・・・あまり見たことはないが、セラミックやプラスチックの包丁なら刃に色の付いたものがあるようだ。しかしそれでは武器として成り立たない。ということは、このニンジン色はブラッド的な何かを注ぎ込みながら刃を鍛えたということかもしれない。そうだとすればこの槍からは禍々しい妖気が放たれていることだろう。ジェストロの弟子であるラバリアにとって、槍で切るだけでなく妖気を活かした奥義を繰り出すくらい朝飯前田のクラッカーだ。
背中にはコウモリの羽を持つ。悪のメガマグマ神殿 70323では黒いマントを羽織っており、戦闘機に乗らなければ飛ぶことのできなかったラバリア。このシールドセットにおいてはコウモリの羽を手に入れ、戦闘機に頼らずとも自力で飛行することが可能になった。蜘蛛の足の時も浮上できるのかは不明だが、歩く速度を速める推進力にはなるだろう。なお、コウモリの羽はエアロストライカーV2 70320
でマグマ・ソルジャーのアッシュ・アタッカー(Ash Attacker)が生やしていた羽と同じものである。
最後は蜘蛛の足についてだ。これまでも何度か触れているが、ラバリアは見た通り、ケンタウロスのように人間ならざる下半身を使うこともある。そう、機械の蜘蛛の足を装着するのだ。ラバリアは宮廷道化師であったジェストロのもとでスパイとして活動しているというが、蜘蛛の足を装着した姿はあまりに存在感がある。それはスパイというよりバリバリの戦闘要員、いやラスボスといっていいオーラが醸し出されているのだ。このシールドセットではラバリアの武闘派の部分が引き出されているといえるだろう。
ここまでラバリアの特徴について見てきたが、黒いフードに赤い体とくれば、ラバリアによく似た特徴を持つある人物を思い出さずにはいられない。筆者以外にも思い起こした人は多いはず。そう、それはダースモールのことだ。黒いフードと赤い肌の組み合わせと言えばやはりこの人だろう。
スター・ウォーズの世界では緑や青など色とりどりの宇宙人が登場するが、シスの暗黒郷に共通する黒いフードを被り、そのフードから垣間見える赤い顔は比類なきインパクトを与えた。そしてそれはラバリアにもいえることだ。
さらにエピソード1の中でオビワンに倒されたと思われたダースモールだが、実は蜘蛛の下半身となりカムバックしていたらしい。知っての通り、ラバリアも蜘蛛の下半身であり、この部分もよく似通っている。
また、ダースモールのライトセーバーも両刃(ダブルブレード)だった。一本の柄の両側から赤いブレードが放出されていたのだ。前述の通りラバリアも両刃の武器を持っており、刃の色も赤である。
フードと体の色だけでなく、蜘蛛の足や武器までそっくり・・・その共通点の多さは、まるで生き残ったダースモールがネックスナイツの世界に移籍してきたか、ラバリアに転生したと思えるほどだ。
シールドセットには蜘蛛の足だけでなく、ちゃんと通常のレッグも付いてくる。それもペイントが施された立派なレッグだ。蜘蛛の足がかさばると感じたらレッグに履き替えよう。蜘蛛の足に見慣れてしまうといささかサッパリしすぎるようにも見えるが、足を着せ替えられることによって遊びの幅が広がるのは嬉しい。
こちらは先ほどと同じアングルの写真。一見すると変わらないようだが、ひとつ異なる点がある。それはラバリアの表情だ。ラバリアはリバーシブルヘッドになっていて、ひとつのヘッドにふたつの表情がプリントされている。ヘッドを180度回転させるとフードに隠れていた別の顔が現れるのだ。
先ほどのA面は満月のような黄色い目と、その周りに羽が生えたような長いまつげが3本。眉間の左だけにシワが寄り、口は薄く開かれ嘲笑ったような表情をしている。
こちらのB面は眉間の両側にシワが寄り、噛み合わせが分かるほどの満面の笑みを浮かべている。そして大きく笑ったことによってできたものと思われるシワが、目の下と口の両側に加えられた。
A面とB面どちらも笑っているようだが、ずいぶん印象の変わる表情だ。笑顔から困り顔や憤怒の表情に変化するリバーシブルヘッドが多い中、笑顔だけで印象を変えるラバリアのプリントはなかなかである。
ラバリアの後ろ姿。コウモリの羽は違和感なく取り付けられている。ただブラケットは胴体の横幅よりも大きいため、腕を後ろに動かすことには制限がある。はみ出したブラケットに腕が当たるのは早く、ほとんど後ろには動かすことができないのだ。プラスチックは柔軟性が高いので、ブラケットを変形させつつある程度までは動かせてしまうが、夢中になりすぎると壊れる可能性がある。この点は十分注意しよう。
コウモリの羽は固定されていないため前後に可動する。まるで蝶が羽ばたくように動かせるのだ。羽を閉じればこのように突撃体勢をとることもできる。
先述でミニフィギュアが一段落したため、今度はラバリアの巣およびベースを見ていこう。
ベースはラバリアが座すための中央のスタンドと、スタンドから延びる左右の武器コーナーで構成されている。スタンドにはマグマを表現した複雑な形状のクリアーオレンジパーツが使われており、マグマモンスターであるラバリアにふさわしい作りだ。
ベースの正面から見て左には3つのアイテムが設置されている。赤いシールドと弾薬箱とクロスボウだ。シールドは斜めにディスプレイされ、正面から見やすくなっている。弾薬箱は縦長の入れ物とポッチ付きの赤い蓋からなり、蓋を開けてクロスボウに込めるマグマでできた弾を収納しておくことが可能だ。クロスボウは1発の弾を込めた状態でアームによって設置されており、アームごと前後に動かせる。
ベースの右のコーナーにはふたつのアイテムが設置。緑のシールドと二匹の毒ヘビだ。シールドは左と同じ角度でディスプレイ。舌を出し4ヵ所くねった蛇はクリップに挟んで立てている。ただクリップはバネが効いていないようにガバガバゆるゆるのため、挟んでいるというより載せているといったほうが正しいだろう。蛇がポロポロ落ちてしまうので少々フラストレーションが溜まる。まるで蛇に呪われているような感覚だ。
なお、シールドの隣にはアイテムが設置されていないフリースペースがある。フリースペースにはポッチがひとつ用意されているので、適当に何かを固定して置いておける。例えば、蜘蛛の足を使っているときはレッグが余るため、それを載せておくといいかもしれない。
ラバリアをベースに乗せれば、ついにアルティメット・ラバリアが完成。蜘蛛の糸、ではなくマグマで作られた巣からこちらを伺っている様子は、獲物が射程に入ることがあればマグマで飲み込もうと目論んでいるように見える。
ベースを後ろから撮ったところ。後ろから見てもバランスがとれ、見ごたえのあるベースだ。
究極ラバリアが完成したところでシールドについても触れておこう。蜘蛛の足やコウモリの羽に惹かれた人にとってはラバリアも主役だが、シールドセットというだけあってゲームアプリと連動したシールドがメインでもあるのだ。
シールドは白・赤・緑の3色展開。また、3色それぞれに異なる模様がプリントされている。デフォルトの白いシールドには6本足の蜘蛛、赤いシールドには火の玉のようなマグマの弾、緑のシールドには海賊旗の定番のデザインであるジョリー・ロジャーがプリント。この3種類のシールドは、ゲームアプリに取り込んでネックスパワーとして発動したり、盾の黒い枠に付け替えたりして遊ぶことができるのだ。
ここからは組立書に載っていた武装例を紹介していく。まずは左の武器コーナーから装備した例だ。近接武器の両刃槍は飛び道具のクロスボウに持ち替え、ホワイトシールドはレッドシールドに付け替えている。これはマグマの弾を放つクロスボウに合わせて、マグマの弾模様のシールドをチョイスしたものだ。
クロスボウはエアロストライカーV2 70320のアッシュ・アタッカーが持っているものと同じである。このクロスボウには発射ギミックがあり、トリガーを引くことで装填したマグマの弾を飛ばすことが可能だ。ただ連射はできないので、一発撃ったらそばに置いた弾薬箱から弾を補充しよう。
今度は右の武器コーナーから武装した例だ。右手には近接武器でも飛び道具でもなく、毒ヘビをつかんでいる。いわゆる生物兵器というやつだ。そして左手には毒ヘビに合わせて、ガイコツから毒の湯気や臭気のようなものが醸し出されているグリーンシールドに交換している。
右手の毒ヘビは相手に直接けしかけるのか、それとも蛇の毒を使って毒薬を仕込むのか・・・ヘビの用途は定かではないが、どちらにしろ相手の末路が決まっていることは確かだ。シールドの絵柄には、ヘビの毒によって倒れ、ガイコツとなる結末が明確に描かれている。
ここからはおまけ。両刃槍を分解して悪のメガマグマ神殿 70323でラバリアが持っているような片刃の二刀流にしてみた。まるでニンジンを収穫しているようにも見えるが、この短剣スタイルも暗殺者みたいでクールだ。
3本の足でバランスをとれば、1本の足を上げて馬が嘶いているようなポーズもできる。
迫力のある蜘蛛の足でガツガツ戦うかと思えば、毒でひっそりと葬ることも・・・ラバリアはバトルから暗躍までこなせるオールマイティーなマグマモンスターだった。スパイが両手に武器を持ち、4本の足から攻撃を繰り出すとなれば攻守に隙はない。もはや勝ち目がない、ノーチャンスのように思える。さすがトップに君臨するジェストロ直属の弟子といったところだ。
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